換気が不十分だと喘息やアトピーのリスクが上昇する

 2008年から小学生を対象にした調査研究を開始した。全国5地域の公立小学校児童10.816人に質問紙調査票を配布し、翌年以降に訪問による自宅環境調査を行った。

 

 児童の喘息と暖房器具の排気管、および機械換気の有無の組み合わせと喘息症状との関連を解析したところ、電気の暖房器具と比較して、ガスや石油の暖房器具を使用した場合に喘息のリスクが高かった。さらに、屋外への排気管がない、機械換気がない場合に喘息のリスクが上昇した。


 喘息同様、アトピー性皮膚炎についても、「屋外排気のない石油等の暖房器具の使用」「室内に目に見えるカビの生育がある」「室内でカビ臭がする」「冬に窓の結露がある」と回答した家に住む児童は、アトピー性皮膚炎有病率が有意に高い結果が得られた。


 アトピー性皮膚炎、喘息の予防や対策として、冬季には暖房の排気ガスを室外に放出させるなど、十分な換気を行うことが有用と考えられる。


アレルギー

63: p1075-1084, 2014