スマートフォンによる熱傷    

 低温熱傷は睡眠中に受傷することが多い疾患である。熱源としては湯たんぽ,電気アンカ,電気カーペット,ファンヒー ター,携帯型カイロなど暖房機器のほか,パルスオキシメータ など思わぬ機器でも生じるため,患者の生活によく注意を払 ,原因を推定しなくてはならない。温度と時間の関係では,人体において44°C で 6 時間以上,43°C で 10 時間以上の接 触で皮膚に不可逆的な変化が起こると報告されている。

 2014 2 20 ,独立行政法人国民生活センターは消費者およびスマートフォン関連の業界団体に向けて注意喚起 を行った。その内容は 2009 年から 2013 年の間で「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発 熱等」に関する相 談件数が急増(2009 年度-2 ,2012 年度-523 )しており,そのうち 268 件が危害・危険情報に相当し,その中の 64 が熱傷の事例であったという。機種によってはゲームアプリケーションやテレビ電話を使用した際は,10 分程度の使用 でスマートフォン上部の温度が表側で最大約 54°C,背面側で最大 58°C まで上昇したとの実験の模様が掲載されてい る。

日皮会誌
124(6),1149-1151,2014(平成 26)


(スマホいじりながら寝ちゃう人は要注意!)